2007年02月27日

【2007年6冊目】いらっしゃいませ

2007年6冊目は「いらっしゃいませ」。

なんとなく短大に進学し、なんとなく出版社に就職したみのり。そこで配属されたのは、受付だった・・・。

史上初の受付嬢小説と銘打ったこの作品は、母と娘、短大の女学生、就職活動、そして会社で働く日常をリアルに描いていく。

よく分からないけどなんとなく不安、やりたいことはないけど現実は不満、世の中に対する若干のあきらめ、みたいなものが淡々と語られる。

自分は小説に何を求めているのか。手っ取り早く、自分のものでない他人の日常を覗くこと、だとすると、この小説はベストフィットである。実は、以前紹介したりんごは赤じゃないも、この小説も、あるビジネス系のサイトで紹介されていたので、読んでみたのである。ラストシーンが一番ビジネス系っぽくもあり、小説(実は私小説)としてもなんとなく感動的だったのが印象に残っている。

今日の1フレーズはこちら。

(p112)
「誰にでもできる仕事って、落とし穴だな、とみのりは思う。その仕事をバカにしていい加減にすると、あの人はいい加減だから、とそれより上の仕事はさせてもらえないだろう。そう思いながら、修行のような気持で、新聞に穴をあける」

自分もそんなこと考えながら新人のときコピー取りしてたなと思い出した。あのコピーは誰かが評価してくれたのだろうか。そんな仕事を評価できる上司になりたいものである。

いらっしゃいませ

いらっしゃいませ




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Posted by うさばらし at 02:58│Comments(0)年間100冊
 
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プロフィール
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東京在住。沖縄移住を画策中。泡盛、ソーキそば、ゴーヤ、タコライスを愛するなりかけ経営プロフェッショナル。
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